こんにちは! 30代一級建築士女子のWindyです。
この記事では「無窓階」について解説します!
設計を始めたばかりの若手設計士や、建築士の勉強をしている方の中には、
次のような疑問を感じている方が多くいるのではないでしょうか?
- 無窓階ってなに? 無窓居室と違うの?
- 無窓階かどうか判定するためにはどんな計算を行うの?
- 無窓階になると何が変わるの?
この記事ではこれらの疑問に対してばばっと解説します!
細かいことは置いておいて、「無窓階」のざっくりした概念や考え方を知ることができる内容となっていますので、
「無窓階、よくわからん」という方はぜひ最後までお読み下さい~

実務や勉強のとっかかりとしてお役に立ちますと幸いです~
無窓階と無窓居室の違い。無窓階は階ごとに計算/無窓居室は部屋ごとに計算

初めに、設計に携わっている人ならこんがらがちな言葉である、
「無窓階」と「無窓居室」の違いについてお話しします。
まず、根拠となる法律の違いです。
「無窓階」は消防法の話、「無窓居室」は建築基準法の話になります。
- 無窓階 : 消防法
- 無窓居室: 建築基準法

法律が違うんやな

建築基準法には「無窓階」という考え方は出てこないよ
そして、計算する対象の範囲が異なります。
「無窓階」はその名の通り、計算対象が「階全体」となります。
一方、無窓居室は、各部屋ごとに、部屋単位で計算をしていきます。


建築基準法の無窓居室については、以下の記事を参考にしてね
無窓階の判定をするための計算方法
続いて、無窓階の計算方法について説明します。

この記事ではざっくりとした考え方だけ紹介するよ

実際には細かい規定があるから、実務レベルでは法律や解説書を確認してや
階の床面積の30分の1以上の有効な開口部があるかどうかを計算する

無窓階の判断基準は、その階の床面積の30分の1以上の有効な開口部があるかどうか、です。
30分の1以上の有効な開口部が取れない階は、無窓階の扱いになります。
1ヵ所の窓で取れなくてもOKで、複数の窓面積を足し合わせることが可能です。

無窓階は1/30、と数字を覚えてしまってもいいかもな
算入できる窓の大きさには条件がある
ただし、無窓階の計算において、すべての開口部をカウントできるわけではありません。
判定に算入できる開口部の大きさには条件があります。
この辺はややこしいので、実務では法文や解説書を確認いただきたいのですが、
例として10階以下の階の場合だと、ざっくりこんな感じ。

- 幅75cm×高さ120cm以上の窓 または
- 半径1mの円が内接できる窓
このような条件を満たす開口部が、無窓階の判定に算入できます。

そこそこ大きな窓であることが必要だよ

換気用の小窓はあかんっちゅーわけやな
開口部の前面は道に通じる幅1mの通路が必要
無窓階の判定に算入できる窓は、大きさだけでなくその他の条件があります。
特に建物計画に影響がある項目だと、前面の通路。
無窓階の判定に算入する開口部の前面は、道に通じる幅1mの通路を確保しないといけません。

窓の前面に低木の植え込みや駐車スペースがあると、有効な開口部として算入できないことがあるため気をつけましょう。


消防隊が窓に近づくことができるのか、がポイントなんだね
そのほか、窓の高さといった条件があるため規定を確認しよう
そのほか、窓の床からの高さ等、条件が細々とあります。

規定や数字が細々とあるので、本記事では省略するよ
実務で検討する際は法文や解説書を必ず確認して下さい。
また、地域によって取扱いが異なる場合があるため、
建物の計画の際は一度、消防にヒアリングに行くことをおすすめします。

書籍では、建築消防adviceがおすすめだよ
消防法施行規則第5条の5(避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階)
無窓階になると建物にどんな影響があるの?
ここまで、無窓階の判定方法と計算条件について確認してきました。
それでは、いざ計画している建物が無窓階になってしまった場合、
建物にはどんな影響があるのでしょうか?

無窓階自体が法的にNGなわけではないで
ここからは、無窓階になった場合の、建物への影響について具体的な例を紹介したいと思います。

どんな影響があるのか見ていこう~

ここで示すのは一部の例だけやから了承してなー
例1:屋内消火栓を設置しないといけない場合がある

具体的な影響の例1つ目は、「屋内消火栓を設置しないといけない場合がある」です。
屋内消火栓は、延べ面積や階の面積など、建物の規模によって設置が必要かどうかが決まってきます。
延べ面積による基準だけを見ると設置対象外でも、無窓階があることで設置が必要になる場合があります。
例えば、老人ホーム(6項ロ)の場合。
まず延べ面積の基準を見ると、延べ面積が700㎡未満であれば、屋内消火栓の設置が不要となります。
しかし、加えて無窓階の基準を見てみると。
無窓階の階の面積が原則150㎡以上あると、屋内消火栓の設置が必要になってしまいます。

耐火・準耐火にしたり、内装制限にすることによって面積を倍読みできるんだけど、ここでは触れないよ
延べ面積は、屋内消火栓の設置が必要な規模を下回っていたとしても、
無窓階の規模で設置が必要になることがあるんですよね。
消防法施行令第11条(屋内消火栓設備に関する基準)

実際、計画している建物で消防設備が必要かどうかの判断は、法文を参照したり、所轄消防にヒアリングしてな

消防設備のキホン知識については他の記事でまとめているよ
例2:自動火災報知設備を設置しないといけない場合がある

具体的な影響の例2つ目は、「自動火災報知設備を設置しないといけない場合がある」です。
こちらも屋内消火栓と同様、建物の規模で設置が必要かどうかが決まってきます。
延べ面積では設置が必要な規模を下回っていたとしても、
無窓階の規模で設置が必要になる可能性があるため、注意が必要です。
消防法施行令第21条(自動火災報知設備に関する基準)
例3:感知器を煙感知器にしなければならない場合がある
具体的な影響の例3つ目は、「感知器を場所によって煙感知器にしなければならない場合がある」です。
普通階(=無窓階でない階)と比べて、感知器の設置台数が多くなったり、熱感知器を煙感知器に変更しなければならなかったりするので、コストUPとなる可能性があります。

煙感知器にしないといけない部分は、消防法施行規則で定められているよ
消防法施行規則第23条第5項第六号(自動火災報知設備の感知器等)
まとめ
- 無窓階は消防法で定められている!
- まずは「30分の1」という数字を覚えておこう
- 開口部の大きさ・位置・前面の空地など細かな条件があるよ
- 無窓階があると消防設備が追加で必要になる場合があるため注意
計画の参考にしていただけますと幸いです!

お気づきの点があれば、コメントで知らせていただけますと嬉しいです~




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