こんにちは!30代建築士女子のWindyです。
この記事では、「こうぞうてきはん」こと「構造計算適合性判定」の基本をわかりやすく解説します!
中~大規模の建物を建てるオーナーさんや、設計業務を始めた若手の設計士さんは、
「こうぞうてきはん」という言葉を初めて耳にすることがあると思います。
一定規模以上の建物を建てる場合、
確認申請の手続きに加えて「構造計算適合性判定」の手続きが必要となります。

確認申請以外にも手続きが必要なんやなあ~
- 構造計算適合性判定はどんな建物に必要なの?
- 手続きはどこに申請するの?
- ルート2だと構造計算適合性判定は不要って聞いたけどどういうこと?
本記事ではこのような疑問にお答えしていきたいと思います!
わかりやすくまとめていくので、全体像の理解にお役立て下さい(^^)
本記事は、新築など一般的な確認申請を出すケースを想定しています。
既存不適格建築物など法20条の適用除外を受けるケースは除いていますのでご了承下さい。
そもそも、「構造計算適合性判定」とは?

はじめに、そもそも「構造計算適合性判定」とは何なのか、確認していきたいと思います。
この名称を分解してみると、
構造計算 + 適合性 + 判定
このようになりますよね。
この名称の通り、構造計算適合性判定は、
”構造計算が合っているかどうか判定すること”になります。

正確な用語で言うと、「特定構造計算基準」に適合するかどうかの判定、という言い方になるよ
建築基準法第6条の3(構造計算適合性判定)
構造計算適合性判定は、確認申請とは別の第三者が審査を行う
構造計算適合性判定を行うのは、
- 都道府県知事 または
- 指定構造計算適合性判定機関
という機関になります。

ながい名前やなあ…

構造計算適合性判定をしていいですよ、と指定を受けた機関っていうことだね
建築基準法第18条の2(指定構造計算適合性判定機関による構造計算適合性判定の実施)
審査機関の中には、確認申請の審査も構造計算適合性判定も
両方行える機関があります。
しかし、構造計算適合性判定は、
確認申請を行う審査機関とは別の第三者機関が行う必要があります。
確認申請の手続きにおいても、
構造がきちんと設計されているかどうかの審査をされるのですが、
それとは別の第三者の視点で審査を行いますよ、というのが
構造計算適合性判定の位置付けとなります。

構造計算のダブルチェックをするってことやな

ちなみに、こうぞうてきはんは、構造計算書偽装問題(いわゆる姉歯事件)をきっかけに設立された仕組みなんだよ
都道府県知事は、(…)建築主事が第6条第1項の規定による確認をするときは、当該建築主事等を当該申請に係る構造計算適合性判定に関する事務に従事させてはならない。
(建築基準法第6条の3 第2項)
構造計算適合性判定を受けないといけない建物は?

構造計算適合性判定を受けないといけない構造計算ルート
続いて、構造計算適合性判定を受けないといけない建物について確認していきましょう。
原則として構造計算適合性判定を受けなければならないのは、
確認申請を出す建物(=法6条1項)のうち、所定の構造計算を行う建物となります。
で、その対象となる構造計算を書き出すと、次の通り。
(建築基準法第6条の3)
- ルート1 許容応力度計算
(大臣認定プログラムの場合) - ルート2 許容応力度等計算
(告示の計算の場合・大臣認定プログラムの場合) - ルート3 保有水平耐力計算
(告示の計算の場合・大臣認定プログラムの場合) - 限界耐力計算
(告示の計算の場合・大臣認定プログラムの場合)
つまり、構造計算をしないといけないような一定規模以上の建物が対象、ということになります。
また、小規模な建物でも、あえて上記の構造計算を用いたものについても同じく対象となります。

ルートっちゅうんが出てきたなあ

構造計算ルートが何なのかについては別の記事でまとめているよ!
- ルート1 許容応力度計算(20条1項三号イ・令81条3項)
- ルート2 許容応力度等計算(20条1項二号イ・令81条2項二号)
- ルート3 保有水平耐力計算(20条1項二号イ・令81条2項一号イ)
- 限界耐力計算(20条1項二号イ・令81条2項一号ロ)
ルート1は告示の計算方法であれば構造計算適合性判定は不要
で、このリストをもう一度よく見ていただきたいのですが、
- ルート1 許容応力度計算
(大臣認定プログラムの場合) - ルート2 許容応力度等計算
(告示の計算の場合・大臣認定プログラムの場合) - ルート3 保有水平耐力計算
(告示の計算の場合・大臣認定プログラムの場合) - 限界耐力計算
(告示の計算の場合・大臣認定プログラムの場合)
ルート2やルート3、限界耐力計算は
- 告示の計算の場合
- 大臣認定プログラムの場合
となっていますが、ルート1だけは
- 大臣認定プログラムの場合
というように、大臣認定プログラムだけが対象となっています。
つまり、ルート1はルート1でも、告示の計算方法を用いるのであれば、構造計算適合性判定は不要となります。

ほっほう

ややこしいね
実務レベルの話で言うと、
- 今回はルート1だから、てきはん不要だね(※告示の計算方法だから)
- 今回はルート2だけど、ルート2主事がいる審査機関に申請するから、てきはん不要だね(※後述します)
- 今回はルート3だから、てきはんいるわあ
こんな会話をすることが多いですかね。
「ルート3だと、構造計算適合性判定を出さないといけないから注意」と認識している設計者が多いように思います。
ルート2で構造計算適合性判定を受けなくてよい場合って?

原則、構造計算適合性判定を受けなければならないものの、条件を満たすことで不要となる例外のケースについて紹介したいと思います。
その例外のケースとは、ルート2 で構造計算適合性判定が不要となる場合です。

中大規模の建物なら十分にあり得ることやな
ルート2 許容応力度等計算で構造計算適合性判定が不要となる条件
- ①「ルート2主事」が建築確認審査を行う
- ②告示の計算方法によって構造計算を行っている
①②の条件をともに満たすことで、構造計算適合性判定が不要となります。
以降の本文で、それぞれの詳細を説明をしていくものの、実務を進める上では、
- ①ルート2主事がいる確認審査機関に申請すること
- ②告示の計算方法にすること
ここまでを押さえておけばOK。
ここからは、より深く知りたい設計者向けに根拠法文を追いかけていきたいと思います。
それぞれの条件について、順番に確認していきましょう~
条件① 「ルート2主事」が建築確認審査を行うか
1つめの条件、ルート2主事が建築確認審査を行うか、について確認していきます。
「ルート2主事」というのは通称で、正式名称を「特定建築基準適合判定資格者」と言います。

またながい名前やなあ
ざっくり言うと、審査をする人の資格のことです。
「ルート2主事」という資格をもった人が確認審査を行うのであれば、
こうぞうてきはんを不要としていいですよ、という仕組みなわけです。

きっちり知識のある人が審査を行うから、第三者チェックはいらないよね、ということだね
この資格者の定義は、建築基準法と施行令に記載されています。
ただし、(…)、当該確認審査を構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者として(…)国土交通省令で定める要件を備える者である建築主事等がするとき(…)は、この限りでない。
(建築基準法第6条の3)
建築基準法施行規則第3条の13(構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者等)

施行規則に「特定建築基準適合判定資格者」という名称が登場するよ
審査機関によっては、「ルート2主事」が在籍していないところもあります。
「ルート2主事」が在籍していない審査機関に確認申請を行う場合は、
構造計算適合性判定が別途必要となりますので、気をつけましょう。

ルート2主事が在籍しているかどうかは、審査機関のホームページを見たり、直接問い合わせたりしてな
条件② 告示の計算方法によって構造計算を行っているか
ルート2で構造計算適合性判定が不要となる2つめの条件は、告示の計算方法によって構造計算を行っているか、です。

ルート2主事が審査できる場合でも、大臣認定プログラムを使用した場合は構造計算適合性判定が必要ってことだね
根拠法文を追いかけていきます。
法6条の3 一号の文面を読んでいくと、こうぞうてきはんが不要となるのは、
- 確認審査が比較的容易にできるもの
に限られています。
建築基準法第6条の3第1項第一号
で、この「比較的容易にできるもの」ってなんやねん??
というのを告示に飛んで読み進めていくと、
- ルート2 許容応力度等計算(=令81条2項二号イ)であること
- 告示の計算方法(=法第20条第1項第二号イに規定する方法)によるもの
と規定されていることがわかります。
- 建築基準法施行令第9条の3(確認審査が比較的容易にできる特定構造計算基準及び特定増改築構造計算基準)
まとめ
構造計算適合性判定は、実務レベルでは次の2点だけ押さえておこう!
- ルート3やから、てきはんいるなあ
- ルート2やから、ルート2主事のいる審査機関に確認申請出したいわあ
建物を建てる際の知識や、設計を進める上でお役に立てますと幸いです!



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