【一級建築士試験】大空間・吹抜けで採用すべき空調方式について解説!

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空調設備第3回のノートです。

今回は、天井の高い大部屋や吹抜けといった、
空調の設計に一工夫が必要な空間についてまとめます。

本日の習得ポイント
  • 天井の高い大空間における空調の考え方を理解する
  • 吹抜けにおける空調の考え方を理解する

空調設備シリーズのこれまでの記事も合わせてお読み下さい(^^)

天井の高い大空間の空調

基本の考え方

まずはじめは、天井の高い大空間の空調について考えます。

通常の天井高(3〜4m程度)であれば、
天井から空気を吹き出し、天井で吸い込みをしても問題なく空調が行えます。

しかし、天井の高い室の場合、
天井に吹出口と吸込口を設置してしまうと、
人が過ごす床面付近である「居住域」まで気流が届きません。

天井付近の狭い範囲でただ
空気が循環するだけになってしまい、無駄なことこの上ない。

こういう狭い範囲で空気が循環してまう現象をショートサーキットっちゅーで

そこで、大空間の場合は、
天井から吹き出した気流が床面まで到達するよう、
還気(RA)のための吸込口を床面付近に設置します。

また、居住域まで確実に気流を到達させるため、
吹き出し能力の高いダクトにより給気(SA)を行います。

このため、大空間の空調では、
上下階にわたってダクトのルートを検討する必要があります。

単一ダクト方式による大空間の空調

それでは、採用した空調方式ごとに、
注意すべきポイントを確認していきましょう。

なおこの先は、大空間が1階にある(2階が吹き抜けている)場合を想定して説明をします。

まずは単一ダクト方式です。
単一ダクト方式による大空間の空調では、
機械室ダクトルートの位置がポイントになります。

空調機械室を設置した場所により、
必要となるダクトスペースが変わります。
順に見ていきましょう。

空調機械室が同一階に隣接してある場合

最初に1番わかりやすいパターン、
空調機械室が1階かつ真隣にあるケースをみていきましょう。

まず給気(SA)用のダクトルート確保のため、
機械室から2階の天井まで到達するようDSを計画します。

還気(RA)用のDSは必要ありません。
空調機械室と接する壁の床面付近に吸込口を設置することで、
直接空調機械室に向けて還気を抜くことができます。

空調機械室が上階に隣接してある場合

では、空調機械室を2階に上げた場合、どうなるでしょうか。

給気(SA)用のダクトは2階の天井ふところを経由してルートを確保します。
床面付近の吸込口から空調機械室まで還気(RA)用のダクトを通す必要があるため、
1階の大空間に隣接した位置に還気(RA)用のDSを設けます。

空調機械室が同一階の離れた位置にある場合

プラン上、空調機械室を都合よく
大空間に隣接して計画できないケースは多々あるかと思います。

この場合、給気(SA)用のDS還気(RA)用のDSがいずれも必要になります。

空冷ヒートポンプパッケージ方式による大空間の空調

続いて、個別分散熱源方式である
空冷ヒートポンプパッケージ方式による大空間の空調方法を考えます。

空冷ヒートポンプパッケージ方式の場合、
通常の天井高の部屋であれば、各部屋に設置した室内機から直接空気を送風します。

空調方式については前回の記事で解説しています。

しかし、天井の高い大空間では、
室内機から直接送風するやり方では送風量のパワー不足となってしまいます。

そこで、大空間に限ってはダクトで送風する方法を取ります。
この室内機を「床置きダクト接続型」といいます。

この場合室内機は、
天井裏に隠せるような小型なものではなくなりますので、
別途空調機械室が必要になります。

また、空冷ヒートポンプパッケージ方式は、室内空気を循環させる方式なので、空調機械室は基本的に同一階の隣接した位置に計画します。

給気(SA)用に、
機械室から2階の天井まで到達するDSを計画します。

還気(RA)は、壁の床面付近から直接空調機械室に向けて抜きます。

吹抜けの空調

基本の考え方

続いては、吹抜けの空調について考えます。

吹抜けは上下階と繋がっている空間ですから、
上階の天井から送風すると気流が拡散してしまい床まで届かず、
効果的に空調することが難しくなります。

そこで、吹抜けの場合は、
床面付近の居住域を直接狙い撃ちにして空調を行います。

室内機を吹抜け周囲の天井ふところに設置し、
吹抜の壁や梁下に設けた吹出口から吹き出します。
吸込口は、室内機を設置した付近の天井面にを設けることで、
適切な気流ルートを確保します。

ファンコイルユニット方式による吹抜けの空調

それでは、吹抜けの空調に関しても、
採用した空調方式それぞれのポイントを確認していきましょう。

まずはファンコイルユニット方式の場合です。

ファンコイルユニット方式における吹抜けの空調には、
天井隠蔽型」と呼ばれるファンコイルユニット(室内機)を設置します。

天井隠蔽型はダクトにより送風を行うため、
吹出口の形状や位置を変えることができます。

壁や梁下から吹抜けに向かって給気(SA)を行い、
吹抜け周囲の天井面から還気(RA)を取り込みます。

空冷ヒートポンプパッケージ方式による吹抜けの空調

空冷ヒートポンプパッケージ方式でも、
吹抜けで使用する室内機は「天井隠蔽型」と呼ばれるものです。

吹出口、吸込口の考え方はファンコイルユニットと同様になります。

まとめノート

本日のまとめノートです。

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