こんにちは!30代一級建築士女子のWindyです。
本日は、「誘導灯を設置しなくてもよい場合って?」がテーマです。
設計をしていると、
「ここはデザインにこだわりたいから、誘導灯をつけたくないなあ…」
と思う場面がありますよね。
あるいは、誘導灯が必要だろうと思っていたのに行政に確認したら、
「ここは誘導灯の設置をしなくていいですよ」と言われるケースもある。
この記事では、誘導灯の設置基準がどこに規定されているのか、
関係法令をまとめています。
そして、記事の後半では、私が経験した
「階段通路誘導灯」の設置届が不要という扱いになったケースを紹介しています。
設計や工事段階で、誘導灯の設置基準を確認したい時に
参考にしていただけますと幸いです!
そもそも、誘導灯ってどんな種類がある?

誘導灯が設置不要となるケースを確認する前に、
前提となる「そもそも、誘導灯ってどんなものがあるん?」というところを押さえておきたいと思います。
誘導灯は、「消防用設備」の1つで、
避難時に避難方向を示すための設備です。

消防用設備については、こちらのまとめ記事も参考にして下さい~
誘導灯には次の3つの種類があります。
- 避難口誘導灯
- 通路誘導灯
- 客席誘導灯
消防法施行令第26条
誘導灯及び誘導標識に関する基準
避難口誘導灯
避難口誘導灯は、名前の通り、
建物から外に出るための出口に設置する誘導灯になります。

1階の出入口や階段の出入口に設置するよ
人が出口の外に出ているようなマークになります。

避難口誘導灯は背景が緑色になるよ
通路誘導灯
通路誘導灯は、避難口の方向を示す誘導灯で、廊下や階段などの通路に設置します。
通路誘導灯は、
- 廊下など、通路に設置するもの
- 階段に設置するもの(階段通路誘導灯)
の2種類があります。
廊下に設置する通路誘導灯は、
- 避難の方向を明示する
- 避難上有効な照度を与える
という2つの機能が必要であり、避難方向を示す矢印マークが必要です。

通路誘導灯は背景が白色、マークが緑色になるよ
一方、階段に設置する階段通路誘導灯は、
- 床面に避難上有効な照度を与える
という機能のみが求められます。

階段通路誘導灯は、必ずしも矢印マークが必要ではないんだね
消防法施行令第26条
(誘導灯及び誘導標識に関する基準)
第2項第二号
通路誘導灯は、避難の方向を明示した緑色の灯火とし、防火対象物又はその部分の廊下、階段、通路その他避難上の設備がある場所に、避難上有効なものとなるように設けること。ただし、階段に設けるものにあつては、避難の方向を明示したものとすることを要しない。
避難口誘導灯・通路誘導灯はA・B・Cの3種類がある

避難口誘導灯と通路誘導灯は、照度の違いでA級・B級・C級の3つの種類があります。
ざっくり、
- C級→A級になるほど大きい
- C級→A級になるほど明るい
- C級→A級になるほど設置間隔を長くできる
という違いになっています。

具体的な大きさや明るさの基準は、消防法施行規則で定められているよ
消防法施行規則第28条の3
誘導灯及び誘導標識に関する基準の細目
客席誘導灯
客席誘導灯は、劇場や映画館などの客席がある建物に設置が必要となります。
客席の照度が0.2lx以上となるように設けます。
誘導灯の設置が不要となるのはどんな場合?

それでは、いよいよ本題である、誘導灯の設置が不要となる場合を確認していきます。
誘導灯を設置しなければならない建物の規模・用途については、消防法施行令第26条に定められています。
そして、その本文にただし書きがあり、
誘導灯を設けなくてもよい条件があることが書かれています。
消防法施行令第26条(誘導灯及び誘導標識に関する基準)
誘導灯及び誘導標識は、(略)各号に定める防火対象物又はその部分に設置するものとする。
ただし、避難が容易であると認められるもので総務省令で定めるものについては、この限りでない。
そして、「総務省令で定めるもの」というのは、消防法施行規則第28条の2で定められています。
消防法施行規則第28条の2
(誘導灯及び誘導標識を設置することを要しない防火対象物又はその部分)
第1項
令第26条第1項ただし書の総務省令で定めるものは、避難口誘導灯については、次の各号に定める部分とする。
(略)
第2項
令第26条第1項ただし書の総務省令で定めるものは、通路誘導灯については、次の各号に定める部分とする。
(略)

詳しくは省略させてもらってるから、正確な内容は条文を確認してな
この条文はかなり長いため、この中で私が実際に経験したケースを紹介したいと思います。
非常用照明のある階段は、一定条件を満たせば階段通路誘導灯が設置不要になる
階段の階段通路誘導灯が設置不要になる場合は?

私が経験したことのある、通路誘導灯が設置不要になった事例は、階段に非常用照明がある場合です。
これは、消防法施行規則第28条の2 第2項第五号に規定があります。
消防法施行規則第28条の2
(誘導灯及び誘導標識を設置することを要しない防火対象物又はその部分)
第2項第五号
令別表第1(1)項から(16の3)項までに掲げる防火対象物の階段又は傾斜路のうち、建築基準法施行令第126条の4第1項に規定する非常用の照明装置…(略)…が設けられているもの
※実際には詳細な規定があるのですが省略しているので、正確な規定は条文を確認してね!
建築基準法で規定されている「非常用照明」という器具が、ここに登場してるんですね。
そしてさらに、「平成11年9月21日消防予第245号」というものが出されておりまして。
この通知内にて、
- 「非常用の照明装置」により、避難上必要な照度が確保される
- 避難の方向の確認(当該階の表示等)ができる
この2つの条件を満たす場合には、階段に通路誘導灯の設置を要しない、と記載されています。

ほうほう~

取扱いは地域によって異なる場合があるから、必ず所轄の消防に確認してね
平成11年9月21日消防予第245号
誘導灯及び誘導標識に係る設置・維持ガイドラインについて
第2 技術基準の運用について 1(2)ア
非常用照明と階段通路誘導灯が兼用できる商品がある

ここからは実際に設計で選定する器具の話になります。
製品としては、非常用照明と階段通路誘導灯を兼用できる認定品が販売されています。

兼用の製品があるんやな

色々なシチュエーションに対応できるから、使い勝手が良くていいね
デザイン性にこだわった製品も販売されているので、
意匠的にこだわりたい階段で採用をしたりしますね。
階段通路誘導灯の設置届についての体験談
ここからは私の体験談になります。
大阪のとある物件で、屋外階段に「階段通路誘導灯兼用の非常用照明」を設置しました。
こちらを所轄の消防に確認したところ、
この照明器具は、「非常用照明」として取り扱うのであれば、
階段通路誘導灯としての設置届は不要
という扱いになったことがあります。

どちらにしても器具は取り付けるんだけどね
設置届が不要という扱いになったのは、
私の推測にはなりますが、おそらく
先ほどの”規則第28条の2第2項第五号”が根拠になっているのかな、と。
このあたりの判断は地域によって異なると思われるので、
必ず行政に確認してくださいね!

所轄の消防にヒアリングしてな~
誘導灯の設計に参考となるサイト
最後に、誘導灯の設計に参考となりそうなサイトを見つけたので、リンクを紹介しておきます!
- Panasonicさん 照明設計資料 防災照明(誘導灯)の設置
まとめ
誘導灯の設置が不要となるケースを確認
- 誘導灯が設置不要となる条件は消防法施行規則第28条の2に規定されているよ
- 地域によって扱いが異なる場合があるため、必ず所轄の消防に確認しよう
設計業務のお役に立てますと幸いです~


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