こんにちは。30代一級建築士女子のWindyです。
本日は消防設備の種類についてどどっとまとめます。
マンション、福祉施設、事務所、工場など、中規模施設を建てる際は、消防設備の設置が必要になります。
でも、消防設備って色々あって、どれがどのこと?ってよくなりません?

設計をしてると、消防設備これこれがいるよ~って図面に書かないといけないんだけどね…
似たような名前のものがあって、ビジュアルと結びつかないというか。
普段話し言葉で使う略称が、正式名称とけっこう違うくて、ぴんとこなかったり。

消防の担当の方に早口で言われると、何?ってなるねんな
あとは、消火設備って当然設置費用がかかるので、
建築主さんから「消防設備をつけなくてもよい建物にしたい」と要望されるケース。

建物をどないしたら何が設置不要になるん??

わけわかんないよね~
そんなことでお悩みの設計者や建物を建てる建築主さんに向けて、このノートで消防設備を一気にまとめちゃいます。
消防設備で悩んでいる人は、ぜひご覧ください~
- 消防設備、どれがどれ?ってなる
- 「かつう」って言われて、は?ってなる
- どんな建物に何をつけなあかんのかいまいちわかってない
消防法で求められる消防用設備「等」は3種類
まずは、消防用設備 “等“のざっくりとした種類を抑えていきましょう!
と、いきなり “等“を強調しましたが…
消防法で求められる設備は大きく次の3種類があります。

ややこしいので、ABCの符号をつけさせてもらったよ
- [A] 消防用設備
- [B] 消防用水
- [C] 消防活動上必要な施設
(消防法17条1項)


ほっほう?

A、B、C3つを合わせて、「消防用設備”等”」なんだよね
それぞれの具体的な中身を見ていきます!
[A] 消防用設備には大きく3つの種類がある
まずは、[A] 消防用設備について一緒に見ていきます。

ざっくりとした種類から見てみよう
[A] 消防用設備は、大きく3つの種類があります。

消防用設備”等”がABCの3つに分かれてて、さらにA消防用設備が3つに分かれてるんやな(ややこしい)
- 火を消すための「消火設備」
- 火災を知らせる「警報設備」
- 建物から逃げるための「避難設備」
(消防法施行令7条)


なるほど~

意識してなかったけど、3つの分類があるって言われると覚えやすいね
[A-1] 火を消すための「消火設備」10種類

A消防用設備の1つ目、火を消すための「消火設備」から確認していきます。
- 消火器・簡易消火用具
- 屋内消火栓設備
- スプリンクラー設備
- 水噴霧消火設備
- 泡消火設備
- 不活性ガス消火設備
- ハロゲン化物消火設備
- 粉末消火設備
- 屋外消火栓設備
- 動力消防ポンプ設備
(消防法施行令7条2項)

10種類もあるんや。。。
この中で、4番以降は私はあんまりお見かけしないので(笑)、
このノートの解説は1~3番までに絞りたいと思います。

まずは頻度の高いものから押さえていこう
基本設置するよね~の「消火器」

A-1 火を消すための「消火設備」ひとつ目は、みなさんおなじみ、消火器です。
(消防法施行令10条)
建築専門の人でなくても、学校やオフィスなど、日常生活で目にしたことがあるのではないでしょうか?

中規模施設には、たいがい置かなあかんよな

基本置くよね、のイメージだね
意匠設計者が気にするのは、置き方やスタンドのデザインですよね。
床に置いておくだけにするのか、置場専用の埋め込みボックスを壁に設けるのか。

内装に凝った建物だと、消火器スタンドのデザインにもこだわったりするね
規模下回れるか検討したい「屋内消火栓」

A-1 火を消すための「消火設備」2つ目は、屋内消火栓です。

壁につけられたボックスの扉を開けると、ホースが格納されているよ
屋内消火栓は維持管理が必要であったり、消火水槽を設けなくてはなりません。
建築コストを抑えたいという理由から、屋内消火栓を設置しなくてよい規模を検討することが度々あります。

特に、構造と内装制限による緩和規定を使うことが多いね
例えば、マンション(共同住宅)は(5)項ロの用途のため、
耐火構造+内装制限を採用すれば、2,100㎡の規模まで屋内消火栓が設置不要になります。

消防法施行令第11条
特に福祉施設では設置が必要なことが多い「スプリンクラー設備」

A-1 火を消すための「消火設備」3つ目は、スプリンクラー設備です。

火事の時にぷしゃーっと天井から水がまかれるやつやな
特にチェックが必要なのは、福祉施設関係ですね。
老人ホームなど介護が必要な方、自力避難が難しい方が入居する施設等では、規模が小さくても設置が必要となることがあります。
[A-2] 火災を知らせる「警報設備」10種類

A消防用設備の2つ目、火災を知らせる「警報設備」を確認していきましょう。
- 1 自動火災報知設備(じかほう)
- 1の2 ガス漏れ火災警報設備
- 2 漏電火災警報器
- 3 消防機関へ通報する火災報知設備(かつう)
- 4 非常警報設備
(消防法施行令7条3項)
この記事では、中規模施設の設計で頻繁に登場する
- 1 自動火災報知設備(じかほう)
- 3 消防機関へ通報する火災報知設備(かつう)
- 4 非常警報設備
を見ていこうと思います。
自動火災報知設備(じかほう)

自動火災報知設備は、その名の通り、感知器が火災を自動で検知して、建物内へ火災が起きていることを知らせる設備です。

会話では「じかほう」と言うことが多いで
- 感知器
- 発信機
- 受信機
- 非常ベル
といった機器で構成されます。
感知器
感知器は、火災が起こると熱や煙をセンサーで感知する機械です。
感知器には、ざっくり
- 熱を感知するもの
- 煙を感知するもの
があります。

感知器は建築基準法にも記載があるね
防火設備等の構造に関連して感知器の記載があるよ
- 一号ニ 煙発生または温度上昇の場合に作動する
- 二号ロ 煙発生の場合に作動する
発信機
発信機は、押しボタンを押すことで手動で火災を知らせることができる設備です。

昔は表示灯が出っ張っていたけど、今はフラットなデザインの製品が販売されているよ
受信機
受信機は、感知器や発信機からの火災の知らせを受信する機械です。
感知器や発信機で火災が起きたことを検知すると、その情報が受信機に送られます。

中規模施設であれば、スタッフ用の事務室や管理人室に置くことが多いね
火災の情報を受け取った受信機は、
- 非常ベル
- 誘導灯の点灯
- 防火戸の閉鎖
- 電気錠の開錠(パニックオープン)
- エレベーターの停止
- 消防機関へ通報する火災報知設備との連動
- 放送設備との連動
といった指令を出して、火事に対応します。

自動で指示出しをしてくれるから、”自動“火災報知設備なんやな
消防機関へ通報する火災報知設備(かつう)

続いて、消防機関へ通報する火災報知設備です。
その名の通り、建物で火災が発生すると、直接消防署へ連絡します。

直で連絡がいくんやな
老人ホームなどの福祉施設や、規模の大きい施設で設置が必要になりますね。
消防法施行令第23条
非常警報設備

非常警報設備は、
- 非常ベル
- 自動式サイレン
- 放送設備
の3種類があります。
非常ベルは、建物のすべての場所で音が聞こえるように配置をします。

会話では「ベル」って呼ばれるな
発信機と一体になったものをつけることが多いです。

正直、素人やから、じかほうと見分けつかへんな
屋外テラスなどがある場合は、単体でベルをつけることもありますね。
ぽこっとした赤いやつです。
放送設備は、規模の大きい施設等で設置が必要となります。
機械音声や、人の声によるアナウンスを施設内に流して、火災があったことを知らせることができます。
消防法施行令第24条第3項(非常警報設備に関する基準)
[A-3] 建物から逃げるための「避難設備」

A消防用設備のラスト3つ目、建物から逃げるための「避難設備」を見ていきましょう!
- 避難器具
- すべり台
- 避難はしご
- 救助袋
- 緩降機
- 避難橋
- 誘導灯、誘導標識
(消防法施行令7条4項)

ざっくり、「避難に必要な道具」と、「方向を示す道しるべ」の2種類だね
避難器具
避難設備の1種類目は、避難器具です。
バルコニーの避難ハッチや、窓際に避難はしごが置かれているのを
見たことがある人は多いのではないでしょうか。

火事で階段が使えないような場合に、避難はしごを開けて地上まで下りるよ
避難器具は、一般的なはしごのほか、
福祉施設等に対しては救助袋やすべり台が指導される場合があります。
誘導灯、誘導標識
避難設備の2種類目は、誘導灯・誘導標識です。
このうち、誘導灯には、
- 避難口誘導灯
- 通路誘導灯
- 客席誘導灯
の3種類があります。

避難口誘導灯、通路誘導灯は必ずと言っていいほど設置するなあ
消防法施行令第26条
[B] 地域の消防に貢献する「消防用水」

A消防用設備の確認が終わりましたので、
- [B] 消防用水
- [C] 消防活動上必要な施設
を見ていきます。
[B] 消防用水は、地域の消火活動に使うための水をためておく施設です。

その敷地で火事があった時だけではなく、近所の建物で火事があった時にも消火活動に使われるよ
消防用水は、
- 防火水槽
- または、防火水槽に代わる貯水池等
のことを指します。
面積の大きい敷地で設置が必要となることがあります。

行政協議の流れで消防から指導があるよ
[C] 消防隊が使う「消火活動上必要な施設」
最後に、[C] 消火活動上必要な施設を確認します。
消火活動上必要な施設に含まれるのは、下記の5つです。
- 排煙設備
- 連結散水設備
- 連結送水管(れんそう)
- 非常コンセント設備
- 無線通信補助設備
(消防法施行令第7条第6項)
ちなみに、ここで排煙設備が登場していますが、
この排煙設備は建築基準法上の排煙設備とは別の位置づけです。

あくまで消防法における排煙設備やで
この中で、中規模施設で時々設置が必要となる連結送水管を解説します。
連結送水管(れんそう)

連結送水管は、話し言葉では「れんそう」と呼ぶことが多いです。
消防車と送水口を繋いで、消防車から水を送るための設備です。

これが、意外と設置することがあるんやわ
例えば、共同住宅。
別表第1に掲げる用途なので、7階建て以上になれば、連結送水管の設置が必要になります。

7階建てのマンションは、市街地ならめずらしくないよね
消防法施行令第29条
まとめ

消防用設備等をだだっとカクニン!
- [A] 消防用設備
- 火を消すための消火設備
- 火災を知らせる警報設備
- 建物から逃げるための避難設備
- [B] 地域の消防に貢献する「消防用水」
- [C] 消防隊が使う「消火活動上必要な施設」
最後に、この記事はあくまで消防設備全体をざっくり理解するためのものになっています。
市や地域によっては個別の規定が異なることもあるかもしれませんので、
実際の設計実務では必ず所轄消防へ確認してくださいね~

設計や建物計画にお役立ていただけますと幸いです!


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